
「Families First Coronavirus Response Act:ファミリーファースト・コロナウィルス対策法」に関する雇用主からの重要な10の質問にお答えします。| Employers’ Top 10 Burning Questions About the Families First Coronavirus Response Act Answered
Overview
Families First Coronavirus Response Act, H.R. 6201 (以下、FFCRA) が制定されました。ここでは、この新しい法律について、雇用主の方からお寄せいただく重要な質問を、10項目取り上げてご説明します。
1.「雇用主は、従業員に一定の休暇・給付金を提供しなければならない」とありますが、どのような内容でしょうか?
FFCRAでは要件を満たす従業員の保護のため、以下の2つを規定します。(1)緊急時育児介護休業拡張法(FMLA拡張法)と (2)緊急時有給病気休暇法です。
これら2つは、それぞれ適用のための要件も効果も異なりますので、正しく適用するために2つの違いをよく理解いただくことが肝要です。
2.上記の(1)、(2)の法律が適用される雇用主は、どの規模ですか?
(1)、(2)どちらも従業員が500人未満の雇用主に適用されます。公的機関の場合には1名以上の従業員を有する雇用主に適用されます。
3.FFCRAは、比較的小規模な会社、例えば50人以下の従業員しかいない会社でも適用されますか?
はい、FMLAとは異なり、FFCRAは50人以下の従業員を持つ雇用主にも適用されます。
ただし、FMLA拡張法と緊急時病気休暇法には、「従業員が50人以下の小規模会社については適用免除とする旨の規則を労働長官が発する権限を有する」という条項が含まれています。また、FMLA拡張法には、公衆衛生緊 急休暇に関連して小規模会社がそのような休暇を出すことにより事業の継続が困難になる場合には、労働長官は休暇取得について適用除外とすることができる旨を規定します。さらに、緊急時病気休暇法は、小規模会社が、学校の休校または子供の世話をする人が確保できなくないために未成年の子供の世話をするために従業員が休暇を取得することを認めると、会社が継続していけないという場合においては、労働長官は休暇取得について適用除外とすることができる旨を規定しています。
労働長官は2020年3月25日までに規則を発するとされています。その規則により、これらの小規模会社の適用除外について、具体的な情報が明らかになると存じます。
4.FFCRAはいつ発効し、いつまで継続されますか?
2020年3月18日に大統領が署名をしてから15日以内(2020年4月2日)に発効します。
5. FFCRAは、大統領の署名前の欠勤に遡って適用されますか?
いいえ、適用されません。
6a. FMLA拡張法に基づき、雇用主は、何をする必要がありますか?
FMLA拡張法は、FFCRAの区分Cに規定され、従業員が、「公衆衛生緊急事態に関連して必要」となったために、勤務ができなくなった(つまり、従業員が、公衆衛生非常事態により学校または子供を預かる施設が閉鎖した、または子供の世話をする人(継続して子供の世話することに対しての報酬を受けている者)を確保できなくなった、といった状況により、18歳未満の子供の世話のために働くこと(テレワークも含めて)ができなくなった)ことを理由として、FMLA休暇を取得することを認めるものです。
従業員は、この休暇を取得するためには、その雇用主に、少なくとも休暇取得 前の過去30日前から雇用されていなければなりません。この雇用期間は、従来 のFMLAのもとでのベネフィットを受けるための要件が、1年/1,250時間であるこ とと比べるとかなり短く設定されています。
FMLA拡張法のもとでの休暇の最初の10日は、無給休暇です。もっとも、その無給期間において、従業員は、雇用主が提供するほかの有給の病気休暇の制度を利用することが可能です。(また以下に説明する、緊急時病気休暇法で提供されている病気休暇給付金を使うことも考えられます。)この最初の10日間の無給期間の経過後は、雇用主は、従業員の稼働時間に対して支払う通常給与の最低2/3を支給しなければなりません。ただし、1日当たり200ドル、また休暇全期間にわたり合計で10,000ドルが給付額の上限です。
| 時間給従業員の例 |
| 従業員の子供の学校が2020年3月16日から休校となり、時給18ドルで通常1 日8時間、週40時間働く従業員は、18歳未満の娘の世話をするため休暇を取得しました。FFCRAは、2020年4月2日から発効します。従業員の10日間の無給休暇は2020年4月2日から2020年4月12日までとなり、この間、従業員は別の使える病気休暇や有給休暇を使用しました。この従業員は、2020年4月13 日から、1日当たり96ドル(従業員が実際に仕事をしていた場合に雇用主がこの従業員に支払うはずの160ドルの2/3)の支給を受けることが可能です。子供の学校は学校年度末(2020年5月29日)まで休校となるので(子供の世話をする人が確保できなかったことを理由とする休暇の場合はこの休暇期間が変わるでしょうが)、雇用主は従業員に34日にわたり支給を行い、その間の支給合計額は3,266.00ドルとなるでしょう。 |
| サラリー従業員の例 |
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前述の例と同じ日付を使って説明します。ここでは、年給60,000ドルのサラリー払いの従業員を考えます。2020年4月14日から、雇用主は従業員に1日当たり153.84ドル(この従業員の通常の支給額は28.82ドルで、1日 8時間労働でのこの支給額の2/3は153.84ドル)を支払います。子供の学校が学校年度末、2020年5月29日まで休校となる場合(子供の世話をする人が確保できなかったことによる休暇の場合は別)、雇用主は従業員に34日間にわたって支払いを行い、合計支給額は5,230.56ドルとなると存じます。 |
従業員の勤務スケジュールが毎週変わるために、従業員が休暇をとらなかった場合にその週に働いたであろう時間を雇用主が把握できない場合、雇用主は、従業員が休暇を取り始めた日までの過去6ヶ月間に働いた平均労働時間
(休暇分を含む)に相当する時間を使用して算定します。
従業員の勤務開始が過去6か月以内である場合には、従業員が雇用された時に、その人が通常働くとされていた1日当たりの平均労働時間を使って 算定するのが妥当に思われます。
従業員はこのFMLA拡張法のもとでの休暇を必要とする場合、できるだけ早く雇用主に通知する必要があります。
6b. 雇用主は、従業員が休暇を取得した後に、その従業員をもとの仕事に復職さなければなりませんか?
はい、復職させる必要があります。ただし、一定の状況下で、従業員が25人以下の雇用主は、この限りではありません。すなわち、従業員が25人以下の雇用主の場合であって、雇用に影響を与えるような経済的状況またはその他の雇用主の事業活動状態の変化によりその従業員の仕事がなくなったとき、そしてその変化が休暇中の公衆衛生の緊急事態によって引き起こされたときは、従業員を復職させる義務はありません。ただし、雇用主は、従業員にそれまでの仕事と同等の職を与えるために妥当な努力をする必要があります。
6c. FMLA拡張法の適用の対象外となる従業員はいますか?
はい、います。従業員が医療提供者または救急隊員の場合、雇用主は、その従業員を、FMLA休暇延長手当の支給の対象から除外することができます。
6d. 雇用主は、従業員に対して、FMLA拡張法にもとづく休暇とは別の有給休暇を取得するよう要求できますか?
いいえ、できません。もっとも、雇用主は、従業員に、未使用の休暇、個人休暇またはその他の有給休暇を、最初の10日の無給休暇の部分に適用するというオプションを与えることができます。従業員がこのオプションを行使するとした場合、10日間の支給待機期間に、(FMLA拡張法のもとでの通常賃金の2/3という給付額ではなく)その有給休暇中の賃金全額を受け取ることができるようになると存じます。
6e. 雇用主は、休暇期間中、従業員のベネフィットを継続しなければなりませんか?
FFCRAにより、FMLAのこの点に追加も変更もありません。雇用主は、従前からFMLAで定められるベネフィットを継続して提供しなければなりません。
6f. 従業員は、雇用主のFMLAポリシーに従い、通知を行わなければなりませんか?
はい。従業員は、休暇を必要とすることが予測可能なときは、従業員はすぐに通知をする必要があります。
7a. 緊急時有給病気休暇法に基づき、雇用主は、何をする必要がありますか?
緊急時有給病気休暇法は、FFCRAの区分Eに規定されます。これは、雇用主は、従業員が以下に定める理由のいずれか1つにより働くことができない
(またはテレワークできない)場合に、その従業員に対して、(FMLA拡張法では10日の待機期間があるのとは異なり)直ちに、有給の病気休暇を与えなければならないと規定するものです。
- 従業員はCOVID-19関連の連邦、州または地域の検疫または隔離措置を受ける対象となっている。
- 従業員は医療提供者からCOVID-19関連の懸念から自宅待機するよう助言された。
- 従業員にはCOVID-19の症状があり、医者による診断を求めている。
- 従業員は地域の検疫または隔離命令に従わなければならない者または医療提供者から自宅待機するように助言された者の世話をしている。
- 従業員は、COVID-19の感染を防ぐために学校または託児所・保育園が閉鎖されたことにより自分の子供の世話をしている。
常勤従業員には合計80時間までの有給病気休暇が認められ、パートタイム従業員には、2週間平均して通常働く労働時間に等しい期間の有給病気休暇時間が認められます。
7b. 休暇が従業員のためのものとして取得するときと人の世話をするために取得するときとでは支払額に違いがありますか?
はい、あります。有給病気休暇は、従業員が通常働く労働時間に対しての従業員の通常の支給額を基に計算されるもので、最高額は以下のようになっています。
- 従業員自身がCOVIC-19関連の隔離命令を受けている、医療提供者から自宅待機するよう助言を受けている、または症状が出て医者による診断を求めているという場合には、1日当たり最高511ドル、合計最高5,110ドル。
- 従業員が、検疫命令を受けている者、医療提供者から自宅待機するよう注意を受けた者、または症状がある者の世話をしている、または学校または託児所・保育園が閉鎖されたことにより子供の世話をしているという場合には、1日当たり最高200ドル、合計最高2,000ドル。
また、従業員が、COVID-19の感染防止のために、連邦、州、または地域の検疫もしくは隔離命令を受けた者の世話をしている場合、学校または子供を預かる施設が閉鎖されている場合、子供の世話をする人を確保できないたために子供の世話をしている場合、または従業員が、財務長官と労働長官と協議の上で保健福祉省長官が示すこれらに類似する状態にある場合には、その従業員への支給額は、通常の賃金の2/3となり、100%支給とはなりません。
7c. 従業員が緊急時休暇を取得するために、雇用主に雇用されていないといけない期間はどのくらいですか?
有給病気休暇は、雇用主のもとで雇用されている期間にかかわらず、ただちに適用可能です。
7d. 緊急時病気休暇法下では、雇用主が従業員に対して、緊急時病気休暇法に基づく病気休暇を使う前に、まず他の休暇(有給休暇も含めて)を全て使ってからにするようにと求めることができますか?
いいえ、できません。緊急時有給病気休暇法には、雇用主は従業員に対して、「従業員がこの法による有給病気休暇を使う前に雇用主から従業員に出されている他の有給休暇を使うよう求めてはならない」という条項が明示的に盛り込まれています。
7e. 緊急時病気休暇の取得のため、そのほかの条件や制約はありますか?
- 休暇の翌年への繰り越しはありません。未使用の有給病気休暇分が退職時に支払われることはありません。
- 雇用主は、休暇を取得する従業員に対して、病気休暇をとっている間にその労働時間をカバーする代替の者を探したり見つけたりすることを、有給病気休暇を与える条件として課してはなりません。
- 雇用主は、緊急時病気休暇法に基づき休暇をとったことに対して、その従業員を差別したり報復措置をとったりしてはなりません。
- 雇用主から、従業員に対して、有給病気休暇を継続して受給するためには雇用主へ妥当な手段で通知をするよう求めることは可能です。
7f. 緊急時有給病気休暇の取得の対象外となる従業員はいますか?
はい、います。労働長官は、正当な理由がある場合に下記の規則を発する権限を有します。
- 従業員の定義から、一定の医療提供者や救急隊員を除外する。
- 従業員数が50人以下の小規模会社の場合、従業員が、学校または託児所・保育園の閉鎖、または子供の世話をする人が確保できないという理由で子供の世話をしている場合には、適用除外とする。
- その他、緊急時病気休暇法の目的を遂行するために必要な場合。
この規則は2020年3月25日に発せられる予定ですので、今後具体的な情報が判明しましたら、さらに詳しい情報をご提供致します。
7g. 緊急時病気休暇法に基づく病気休暇中の給与の支払いをしなかった場合のペナルティとはどのようなものですか?
病気休暇の支払いを行わなかったということは、公正労働基準法(FLSA) に基づく最低賃金の支払いをしなかったということになり、支払うべき給与額の2倍の損害賠償および弁護士費用の支払い義務が生じます。
8. FMLA拡張法と緊急時有給病気休暇法は、同時に適用されますか?
はい、適用可能です。FMLA拡張法と緊急時有給病気休暇法は、いずれも、従業員が、COVID-19感染防止のため学校または託児所・保育園が閉鎖された、または子供の世話をする人が確保できなくなったということにより、子供の世話をする必要があり、そのために会社を休む必要が生じたという事態に適用されるものだからです。
特に、緊急時有給病気休暇法は、即時に適用可能であるため、従業員は、
FMLA拡張法における10日の待機期間においても有給休暇を取得することが可能になります。緊急時有給休暇が人の世話のための休暇ですので、賃金の2/3になるルールが適用され、雇用主から従業員に支払う額は、FMLA拡張法による場合も、緊急時有休病気休暇法による場合も、同額になると存じます。
上述の例を使うと、以下のとおりです。
| FMLA拡張法と緊急病気休暇法が一緒に適用される場合 |
| 従業員の子供の学校が2020年3月16日から休校となり、時給18ドルで通常1 日8時間、週40時間働く従業員は、18歳未満の娘の世話をするため、休暇を取得しました。FFCRAは、2020年4月2日に効力を生じます。従業員の10日間の無給期間は、2020年4月2日から2020年4月12日までとなります。この間、従業員は緊急時有給病気休暇法の定める全ての要件を満たすものとし、この従業員が勤務する会社は適用除外を認められている従業員数50人以下の雇用主ではないとします。この従業員は、この10日の期間中、7日分の(従業員の勤務は月曜から金曜までと想定)賃金につき、1日当たり8時間、合計56時間、よって672ドル(従業員の時給の2/3)の支払いを受けることができることになります。また、2020年4月13日から、従業員はまたFMLA 拡張法の適用を受ける資格も与えられるようにもなります。緊急時有給病気休暇法下も、まだ24時間分残っています。よって、従業員は残りの緊急時病気休暇の24時間を2020年4月15日まで使い、2020年4月16日から、FMLA拡張法による2/3の賃金を受けることになると存じます。これは、一日当たり200ドルまで、合計の支給額が10,000ドルになるまで継続可能です。
一方、その従業員が勤務する会社が従業員数が50人以下の小規模雇用主であり、緊急時病気休暇法に基づく適用除外を受けることとする場合、従業員は、その会社に30日以上雇用されており、子供の学校の閉鎖 または世話をする者の確保不可能という理由で仕事を休む場合であって も、緊急時病気休暇法に基づく給付の受給を受けることはできず、FMLA 拡張法に基づく給付が受給できるようになるまでは給付の支払いを受けることができません。 |
9. 従業員への支払いに関して、雇用主は填補を受けることができますか?できる場合、どのようにして填補を受けられますか?
区分Gは、有給病気休暇と有給育児介護休暇に関する税控除について規定しています。雇用主は、その雇用に関する消費税(雇用主が支払った賃金の6.2%)に対して税額控除が認められます。
控除額は、特定医療保険の費用から病気休暇中の賃金支払いに適切に割り当てられた金額に応じて増加します。
ここでは税の問題についてはこれ以上立ち入りません。税控除に関しては、当法律事務所の租税・従業員給付チームが別途情報をご提供致します。
10. FFCRAと州の失業保険給付との関係、またレイオフや稼働停止の状況における取扱いはどのようになりますか?
FMLAおよび緊急時有給休暇が対象とする状況と、失業給付が対象とする状況は、まったく異なります。FFCRAの文脈で述べる休暇とは、従業員が所定の理由により、与えられた仕事を行うことができない状況を指します。
一方失業給付は、雇用主がその従業員に与える仕事がなくなり、その結果、その従業員がレイオフ、自宅待機、または解雇されたという状況で適用されるものです。
FFCRA所定の理由のいずれかに該当するために従業員がFFCRAに基づき休暇を取得することと、従業員が工場、事務所の稼働停止・閉鎖により仕事がなくなったこと(それゆえ失業給付を申請するのが適切です)の違いを、よく理解いただくことが重要と存じます。
11. その他、雇用主が留意すべき義務はありますか?
はい、緊急時有給病気休暇法は、雇用主に対して、労働長官が作成し承認する通知ポスターを、よく目に付く場所に掲示すること、そして掲示し続けることを求めています。この通知ポスターは2020年3月25日に公表されます。



